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お散歩に行ってきました!

2025年 7月の記録

散歩とは歩くこと。
でも、私の散歩は動くのは最小限。静かに周りに溶け込んで、生き物の気配を感じるのが楽しいのです。
ほら、今日もこちらに近づいてくる何者かがいます。
キッキッキッ・・・小さな声とともに現れたのは、ヤマゲラの子ども達。
一羽、二羽・・・五羽かな??
幼いながらも精悍な顔立ち。きれいな緑の翼。森の妖精のような彼らとの嬉しい出会いでした。

2025年 7月6日(日)
暑いです。へばっております。
暑くてへばっているのに、生き物への計り知れない影響を考えると、怖くて怖くてふるえます。
知床からカラフトマスが消えたニュースもありましたね。
多くの命を支える柱が、また一つ倒れてしまったのでしょうか。
それなのに、猿払村の風力発電計画など、どちらを向いての環境保護なのか全くわからないものが、力任せにどんどん進められているのはどういうことでしょう。
命を支える柱には限りがあります。
人間がいくつもいくつも際限なく倒してきた柱は、二度と戻らないか、元に戻そうとしても気が遠くなるような時間が必要なものばかり。
森で耳を澄ませても、以前より命の音が聞こえなくなっていると感じるのは気のせいでしょうか。

そんな暑さの中で、頭上をいくつかの影が横切りました。
シルエットから、ゴジュウカラの幼鳥だろうと思って静かに辺りをうかがうと、枝にちょこんととまった幼鳥がこちらを見ていました。
好奇心おう盛な幼鳥は、こちらを見たまま逃げません。
賢そうな瞳で私を観察しているようです。かわいいな。
しばらく幼鳥との対話?を楽しんでしまいました。

小さいけれど生き抜くための知恵と力を備えている姿に、幼い人の子を重ねてしまいますね。
(写真は、クリックまたはタップをすると大きくなります)

近くにいた大人のゴジュウカラ。親鳥・・・かな?? 
でも痩せていますね。

さて、ヤマゲラの幼鳥に出会ったのはこの後です。

私の散歩道にはこの時期、強敵が現れます。
そう、吸血昆虫です!!!
蚊、ブユ、そして「ヌカカ」だー!!
わかっています。吸血昆虫にはどうしても血が必要なことは!!
だが、しかーし!!
嫌じゃ。

では、どうして彼らに血が必要なのかというと、理由は明確で「卵を産むため」です。
例えば蚊は普段、花の蜜などを吸って生きています。ところがそれでは産卵に必要なタンパク質が得られないため、卵を産むメスは命がけで動物の血を吸いに行くのです。
つまり、オスはまったく吸血しません。
こう聞くと、蚊も大変ね・・・と思ったり。
でも嫌じゃ。

そして、ヌカカです。
あまり知られていませんが、この虫が強敵なのです。
なんせ小さい(体長1ミリ〜2ミリ)ので、服の隙間から入って刺すのです。(蚊じゃなくてハエの仲間)
長ズボンを履いていても、裾から侵入。何箇所も刺されていることがあります。
しかも非常にかゆい!!
刺されるのは嫌じゃ。

ヤマゲラと出会ったのは、そんな吸血昆虫との戦いの最中でもありました。

おっと、もう一つの戦いを書き忘れるところでした。
吸血昆虫の他にもう一種、非常に困る虫がいます。
その名は「メマトイ」です!!
こちらは名前の通り、目に向かって飛んでくる虫です。しかも超しつこい!!
涙をなめるために突撃してくるのだとか。(涙に含まれるタンパク質やミネラルが目的らしい)
とにかくしつこいし、場合によっては目に入ってしまいます。
その場のイライラ度でいえば、吸血昆虫以上かも。
顔、しかも目なので覆うわけにもいかないし、この暑いのにゴーグルなんてしたくありません。
結局、虫に追われるようにその場を離れる事になるのでした。
うーん、嫌じゃ。

とにかく、そんな戦いから逃げて逃げて、風通しのよい場所で休憩していた時でした。
ヤマセミの声が聞こえたり、ハイタカらしき姿を見たりしたのですが、虫のせいでゆっくりできず、幾分ふてくされていると・・・
キッキッキッ・・・おや? なにかがこちらに向かってくるようです。
アカゲラ・・・ではないな。さらに近づいてきました。
そして、目の前を通り過ぎるいくつかの影。
わあ、ヤマゲラの幼鳥たちだ!!

5羽ほどの幼鳥が、小さく鳴きながら次々に飛んで行きました。
いいもの見ちゃった。
すっかり機嫌が直った現金な私です。
休憩を終えて、再び歩き出してしばらく経った頃、歩く先に生えている木の陰に視線が吸い寄せられました。
おやおや?? あれは??

さっきの幼鳥だ!!!
よく見ると、周りに何羽かいる!!
とっさに息を潜めました。静かに静かに。まわりに溶け込めるように。
ほら、木の陰から幼鳥が出てきてくれました。

大きさは大人とそう変わりませんが、仕草があどけなく、警戒心も薄い幼鳥。
ゴジュウカラの幼鳥もそうでしたが、こちらを見るものの、好奇心いっぱいの目で見つめたまま逃げません。
実は、同じ枝にもう1羽とまっていて、2羽でゆったりとしていました。
(カメラのレンズが単焦点のため、2羽いっしょに画面に入りませんでした。後ろに下がると脅かしてしまうかもしれないし、動けない時は仕方ないね)
こういう時間が、本当に贅沢だなと思います。
同じ時間を生きている。世界の広がりを感じさせてくれる。
虫に悩まされながらも散歩に出てしまう理由ですね。ありがとう。

10分ほど経った頃、別の木にとまっていた幼鳥が飛び立ち、つられるように目の前の2羽も飛び立っていきました。

おまけの話ですが、家に帰ってから夫に写真を見せたところ、「ノイズがひどいね。もったいない」という一言でした。怒
(ノイズとは、暗い場所での高感度撮影において、写真全体がザラザラした感じに写ってしまい、鮮明な画像にならないこと)
いつまでたっても暗い森の中で上手く撮れないのは、確かに私の勉強不足だけどねーーー!!
次の機会に備えておきます。メラメラメラ・・・

あと、休憩中に撮った写真を一枚のせておきます。

2025年 7月7日〜7月27日

連日の猛暑、北海道とは思えない湿度。
軽くですが熱中症にもなりかけて、散歩をお休みしていました。
我が家にはクーラーがないので、熱中症には本当に気をつけないと危ないですね。

昨日と今日(26日、27日)は、やっと少し涼しくなり、夜、家の周りからはカンタンの声が聞こえていて、少しほっとしました。
カンタンはバッタやコオロギの仲間で、ルルルルルルル・・・という声がとても美しい虫。
きっと聞いたことがある人も多いと思います。
8月の気温はどうかな? 

散歩に行っていないので写真もありませんが、通勤の途中で少し寄り道した時のことを書いておきます。
まずはこの写真。
なにかが動いた気がして、よーーく見ると、おそらく猛禽類と思われる鳥の体の半分が見えていました。
うーん、上半身が見えない。さすがにこれだと種類がわからないですね。

仲良しのハシブトガラスのつがい。
今時期、危なっかしい子ガラスたちにハラハラします。
道路に出てきてのんびり餌を食べていたりすると、お説教したくなる。汗

以前にも書いたと思いますが、よく聞かれる質問に「カラスのオスとメスはどうやって見分けるの?」というのがあります。
これは、人間の目にはとても難しことです。なぜなら鳥の目と人間の目では、色の認識に差があるからです。
鳥の目には紫外線が見えているために、オス、メスの違いをはっきりと認識できますが、人間には無理。
そうなると行動を観察して判断するしかありません。
例えば求愛給餌。繁殖期になると、オスがメスに食べ物などをプレゼントするのです。交尾のときなどもわかりやすいですね。
なので、上の写真もどちらがオスでどちらがメスなのかわかりません。右のカラスのほうが強そうに見えますが、強いのがオスとは限らないですよね。

もう一つ、「子どものカラスと大人のカラスはどう見分けるの?」ときかれます。
いちばんわかりやすいのは、口の中の色です。
下の写真は、以前撮ったハシボソガラスの幼鳥です。よく見ると口の中が赤っぽいのがわかりますか?

大きさは親とほとんど変わらないのですが、やはり全体的にちょっとスリムというか、迫力?がない感じ。尾羽も短めです。
行動も幼鳥らしく、こちらを見ても警戒せずボーッとしていたり、歩く親鳥の周りをちょこまかついてまわったり、餌のとりかたが下手くそだったりします。
怖がる人も多いけれど、愛情深くてとっても賢いカラスは見ていて楽しいですよ!!

今月、写真が撮れなかったこともあり、私が今まで撮ったカラスの写真の中でベストショットをのせておきます。(以前の記録から再掲です)

2025年 7月の記録 おまけ

異常な暑さで、ほとんど散歩に行くことができなかった7月でした。
生き物たちはどうしているのか。とても心配です。

ここに書く内容も色々考えましたが、あまり暗い話題だと私自身も真っ暗になってしまいそうで、代わりに私が職場で取り組んだ、ちょっとした自然教育の様子を書いておこうと思います。
ちなみに詳しくは書きませんが、子どもをお世話する施設で働いています。

その1 エゾアカガエルを育てて、オタマジャクシがカエルになる様子を見てもらいました。(5月〜6月にかけての話です)

さて、カエルの説明から書いていこうと思います。
本来、北海道にいたカエルは二種類のみで、「エゾアカガエル」と「ニホンアマガエル」でした。
ところが人間が持ち込んだ外来種(本州以南にしかいなかった国内外来種)が増えに増えて、伝染病などを広げてしまい問題になっています。
今のところ職場の周りの森では外来種は見かけておらず、エゾアカガエルとニホンアマガエルの元気な声が聞こえていてホッとします。

さて、カエルといえば水を連想する人が多いと思います。なので、カエルを捕まえて水槽に入れ、水を入れて放置する人もいるようです。
これは絶対にやってはいけません。ひどい虐待になってしまいます。

カエルがたくさんの水を必要とするのはオタマジャクシまで。
もちろん乾燥した環境では生きていけませんが、例えばアマガエルは「ツリーフロッグ」とも呼ばれ、比較的風通しの良い樹木につかまり気候に合わせて移動をし、自分にあった温度と湿度の場所にいると言われます。
なので、しばらく飼って観察をしたい場合はそれに合わせた環境を作らなければなりません。(寒くなる前の9月には、もといた場所に帰してあげてください)
餌も生きた虫を食べさせなければなりませんから、飼育の難易度は高いです。
下の写真は、子どもが捕まえたアマガエルを少しの間飼ったときの写真です。
水浴びができるように水場を作り(カルキ抜き必要。浄水器の水を使って毎日取り替えました)、落ち着いて休めるように鉢植えの植物(日陰に強いペペロニアという植物)や、木の枝をいれました。
一ヶ月ほど経った頃、子どもたちに、カエルには森で大切なお仕事があることをお話しして一緒に森に帰しました。

アマガエルは、環境によって色が変わるのがおもしろいですね。
エゾアカガエルについては、飼うことをおすすめしません。とにかくジャンプ力が強いので、狭い水槽では何度も体をぶつけてしまい、かわいそうなことになります。
ぜひとも弱ってしまう前に、森に帰してあげてください。

では、オタマジャクシの飼育について書いていきますね。
オタマジャクシも、ただ水に入れておけばいいというものではありません。いくつか大切なポイントがあります。
(森から連れてくる数も、数匹に留めましょう。たくさんはダメです)

・水深を深くしない。(5㎝程度。体長の二倍あればいい。上下に泳ぐのが得意ではない)
・水道水を使う場合は、カルキ抜きをしっかりとする。浄水器があれば便利だが、水温が低すぎないように常温に置いてから使う。
・体を休めることができるように水草(本物でなくていい)などを入れる。(トンネルも、中に入ったり上にのったりしていた)
・エサは沈むものを与える。(浮いているものは食べにくい。プレコという魚のタブレット状のエサが最適と思われます)
・3日に一度、半分の水をコップですくって入れ替える。

オタマジャクシの水槽の写真を最初にのせましたが、このやり方で全員が元気に育ってくれました。
参考までに、エサの写真ものせておきます。

自然界では、オタマジャクシは止水域にいるので低酸素に強く、魚と違ってエアポンプはいりません。
(水質の維持とにおい対策のため、汚れを分解するバクテリアも入れていました。効果あったと思いますが、エアポンプがないのでどこまで効いていたかは不明)
底に敷いてある砂利は、生き物に影響はないけど水苔の生えない加工がされたもの。(ホームセンターなどに売っています)

そして、いよいよ足が生えてくると、上陸の準備として陸を作ってやらなければなりません。
今回、別の水槽に陸を作って移したのですが、ここでビックリ!!
まだ尻尾も長いのに、次々と陸に上がりだしました。陸の上に水苔を敷いたので上がりやすかったのかもしれませんが、あわててスマホで様子を撮影しました。
実はオタマジャクシは、最初からエラ呼吸だけでなく肺呼吸もできるようなのです。体の中にすでに上陸のための準備がされているのですね。

オタマジャクシの上陸の動画を見たい方は、画像をクリックしてください。

(おわび 上の動画を間違えて一度削除しました。変に思われた方がいたらごめんささい。音声ありと音声なしのものを取り違えたのです。)

そして、いよいよ小さな小さなカエルになりました。
カエルになった子から順番に、外にタライの池を作って放し、自然に森に帰っていくようにしました。
同じ条件で育てていても成長にはずいぶん個体差があって、最初にカエルになった子と最後にカエルになった子では二週間ほどの間が空きましたが、全てのオタマジャクシがちゃんとカエルになって旅立って行きました。

小さなオタマジャクシが大きくなって、足が生えて手が生えて、尻尾がなくなってカエルになり、森に帰るところまで、たくさんの子供達が興味津々で、見守ってくれました。
次にカエルと出会った時に、大事に思ってくれたらいいな。そして森を大事にしてくれたらいいな。

8月の記録に移ります。

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