上の写真はヒヨドリの幼鳥
2022年 10月1日(土)
今日から10月ですね!
北海道の秋は駆け足で過ぎていきます。
ちらほらですが、冬の訪れを告げる雪虫が飛びはじめました。
道外の人によく「そんなロマンチックな虫がいるの?」といわれる雪虫。
フワフワの雪に足と羽をつけたような姿で、本当に風情があります。
ただし、ちらほら飛んでいるうちは、ですが。
大発生すると、これがまあ大変なのです。
道を歩く時に目や鼻に入りそうになるし、服にたくさんついて家に入る時も困ってしまいます。
子供の頃は、群れている場所を通る時に息を止めて走っていました。思い出すだけでゼーゼーします。
しかしこの雪虫、実は不思議な生態をしていて、一年のうちに6〜7回も産卵と死を繰り返すのです。
つまり生まれてすぐ産卵して、その個体は死に、その卵から生まれた子が産卵し…というサイクルを1年のうちに繰り返すのです。しかも生まれてくる子供は、毎回親とは違う姿をしていて、まるで生まれ変わるみたい。しかもメスばかり。
私たちがよく知る雪虫は最後から二番目の姿で、最終的にはオスとメスが生まれて卵を産み、冬を越すのだとか。なんて複雑な生態なのでしょう。
そんなことを思いながら夕方の散歩にでると、スピーカーの上にモズを発見。そろそろ渡りの時期ですね。無事に海を越えられますように!!
そして、ヒヨドリたちが騒いでいましたが、顔を見ると今年生まれた若鳥ばかりのようです。
まだ幼い顔をしながらも、飛んでいる虫をフライングキャッチして食べている姿は、立派に一人前でした。
カラ類は混群を作り、冬の貯食で忙しそうです。(説明はシジュウカラのページ)
もうすぐ雪も降るでしょう。
渡り鳥は旅立つ準備、留まる鳥たちは冬越えの準備、私もどこかそわそわした気分で秋は過ぎていきます。
(写真はクリックすると大きくなります)
2022年 10月2日(日)
今日は用事もなくて朝からお散歩!
あちこちから聞こえてくる鳥の声。歩き回るより、一箇所にじっとしていたほうが出会えることも多いです。
ほらホオジロのメス、美人さんです。ガサガサと思わせぶりな音をだすのはアオジ。モズは子育てを終えた大人かな?
トノサマバッタにも久しぶりに会いました。
そして、歩く先にエゾシカのおしりを発見!!
うーん、驚かせてしまうのもしのびなくて立ち止まっていると、こちらに気がついたようです。しばらく様子を見た後に走り出した!!
おもしろいのはその耳です。
後ろにいる敵(私のこと)の動きを察知するためか、耳を後ろに向けています。
おしりの白い毛をふくらませるのは、仲間がはぐれないための目印なのだとか。すぐ近くに5頭いましたが、一斉にやぶに飛び込みました。
やっぱり驚かせてしまいましたね。ごめんなさい。
山の麓までくると、大きな種をくわえたヤマガラに出会いました。
辺りを見回すと、そばの木に白くて丸い実がたくさんついていました。
ハクウンボクの実かな?
3羽のヤマガラがひっきりなしに実を取り、別の枝にとまって両足で押さえ、くちばしで実の部分を割って種をとりだし、その種をいろいろなところに隠していました。
冬にそなえての貯食のようです。
細い枝にぶら下がって実をとる様子は本当に器用。
実を割る時も、木の小さなコブを利用して固定する賢い子がいたり、落としてしまって慌てて拾いにいく姿も。
見ているだけで楽しい時間でした。
2022年 10月9日(日)
今日はシマエナガの群れに出会いました。
寒くなるにつれて群れも大きくなるので、フィーフィージュルジュルと、とてもにぎやかでした。
今年生まれた子供たちもたくさんいるはずですが、もはや親と見分けがつかないほどに成長していますね。どれが幼鳥なのかわかりません。
観察していると、虫を食べていましたよ!(次の最後の三枚の写真)
どうやら小さなクモのようです。厳しい冬に備えて、今のうちに体力をつけておかなければなりませんね。
そして、木立の間から久しぶりに聞く声が響いてきました。
ギャーッギャーッというダミ声。これはもしやと思ったら、案の定、カケスの登場!!
冬を前に山から下りてきたのでしょう。
この辺りには、カケスの好きなエゾノコリンゴやズミの実がたくさんなっていて、そろそろ食べごろのようです。
フワリと飛んでいきましたが、いつ見ても羽の青い縞模様がきれい。
その年によって群れで山から下りてくる時と、あまり出会わない時がありますが、今年はどうかな?
2022年 10月16日(日)
今日はとてもいいお天気でしたね!!
予定では、エゾリスたちが冬支度をしているところを見に行こうと思っていたのですが‥‥家族の用事が重なり、散歩に行けずに泣きました。
ところがびっくり!!
昼に一度帰ってきて、窓の外を見たらシマエナガの群れが!!
その中の1羽は、窓からすぐの庭木にとまってこちらを見ていました。
すぐに去って行きましたが、うれしかったです〜!!!
さて、散歩には行っていませんが、先日撮ったゴジュウカラの羽がとってもきれいに写ったので、今回は鳥の羽について書きたいと思います。
鳥の羽!すごいです!!
ただし、書くのはあさっての夜ということで…明日は四時に起きなければならないのでごめんなさい!!
とりあえず写真をのせますね。
続きを書くのがすっかり遅くなりました!!
鳥の羽ですが、ここでは特に色について書きたいと思います。
上のゴジュウカラの写真ですが、いつもは青みがかった灰色に見える羽が、光の具合で青や緑に輝いています。
また、いわゆる青い鳥が北海道にも何種類かいます。
オオルリ、コルリ、ルリビタキ、カワセミなどがそうですが、本当に美しい青色です。
下の写真はオオルリ。まさに青い鳥ですね。
ところがこの羽、実は羽自体が青いのではなく、青い光を反射しているだけなのです。
つまり、絵の具のような青い色を持っているわけではなくて、羽が光の中の青い色だけを反射するようにできているため、こんなにも青く見えるのです。
これは「構造色」とよばれる色で、羽の表面のケラチン層にある微細な凸凹などの構造によるものです。
「青」は、動物が自分では作れない色らしいのですが、構造を変えることで青色に見せるという不思議。
一体誰が考えたの?? どうやって進化に取り入れられたの??
オオルリが自分で「青くなろう!」と思ったわけでもないでしょうに。
本当に生命とか進化は、人の考えが及ばないものだと思います。
青の他に「みどり」も、構造色です。みどりは青と黄色の合わさった色ですから。
青とみどりの有名な鳥がいましたね。クジャクです。あれも光を反射している構造色なのです。
ちなみに構造色を持つのは鳥だけではありません。虫や魚にも構造色を持つものが多くいます。
そしてその研究から、人間もその技術をいろいろなところに使っているのですね。まさに自然は先生です!
さてさて、本当はカラスの羽やスズメのほっぺについても書きたかったのですが、それはまたの機会にします。おやすみなさい。
2022年 10月23日(日)
今日は、NHKのダーウインがきた!でシマエナガの特集がありましたね。
30分だと時間が短すぎて、あっという間に終わってしまいましたが、ツララをなめる映像がすごかったです。
シマエナガは動きが早いので、肉眼で見ていると追いきれなくて、何をしているのかわからないことも多いのですが、勉強になりました!
さて、今週は火曜日が休日だった私。
今度こそエゾリスに会いに行こうと、張り切って散歩に出ました。
毎年この時期、近くの森でエゾリスたちがせっせと冬支度をしていて、ジージー(?)とクルミを割る音があちこちで聞かれるのです。
ところが…
森は、ヒグマが出たとのことで立ち入り禁止になっていました。
そして報道陣と、その視線の先にはハンターが。
またヒグマが殺されてしまったのでしょうか。なにかの死体が運ばれています。
どうやら熊ではないようですが、巻き添えを食ってしまったエゾシカでしょうか。
なんだかもう、暗い気持ちになってしまって。
帰ろうかと思って踵を返し、しばらく歩いたときでした。
目の前につづく道に足跡が。来るときにはなかったものです。そして。
なんて立派な雄ジカでしょう。
大きく枝分かれをしたツノは、4〜5年以上を生き抜いてきた証。
ツノは、生え変わるたびに枝分かれしていくのです。
静かにこちらを見据える瞳は、とても澄んでいました。
人間は敵です。
冬、ここでもまた多くのエゾシカが銃で撃たれて命を落とします。
この雄鹿は、今までどんな光景を見てきたのでしょう。
こうして対峙すると、敵である人間の一人としてこみあげる思いがあります。
雄ジカは、太い声で数度鳴くと茂みに姿を消しました。
深まる秋。
夏鳥たちは続々と南に向けて出発したようです。
モズたちも姿が見えなくなりました。今年生まれたヒナたちは無事に冬越しの地に着けるでしょうか。
ホオジロたちは、まだあちこちで鳴いていますが時間の問題ですね。
厳しい冬。反面、多くの命の物語と出会う季節でもあります。
秋の風の中で空を見上げると、自分の動物としての感覚が研ぎ澄まされていくような。そんな1日でした。
2022年10月29日(土)
リスの森は、まだ立ち入りが禁止されています。
しかたなく別のコースを歩き出した時、一発の銃声が響きました。
パーンという音は、何度聞いても心が縮みあがります。
恐らく、エゾシカを追い払うためのものでしょう。
すぐそばの低木で休んでいたらしいスズメが音で飛び出してきて、近くにいたカケスの群れも、驚いたのかギャーギャーと警戒の声をあげて騒ぎはじめました。
この状態では、あまりいい出会いはないかなと思いながら進むと、川の中にカワガラスが。何度も潜水をして水生昆虫を採っています。
地味な鳥に見えますが、その潜水の技は本当にすごい。潜ったまま流れに逆らって川底を歩いたりします。まぶたが白いから、なんだか白目をむいているようにみえることも。
冬の間中、凍てつく川に潜る姿は、いつ見ても感心してしまいます。人間なら五分もたたずに死んでしまうでしょう。
カラたちは冬の貯食で忙しそうです。今日の混群はアカゲラも混じっていました。
我が家の庭でも、ヤマガラがせっせとオンコの実(イチイ)の種を取り出して食べたり、貯食しています。
コンコンと実を割る音が楽しい。
実がベトベトするせいか、頻繁に水を飲んでいましたよ。忙しい忙しい。
2022年10月30日(日)
昨日に続き、今日は夕方にお散歩してきました。
夫と歩いていると、一頭の雄ジカと2頭の雌ジカが走り去りました。
おしゃべりをしていたので、気づくのが遅れました。残念!
そっと見れば穏やかな群れの様子を観察できたかもしれません。
またしばらく歩くと、今度はシマエナガが。
でも1羽だけです。この時期は群れになっていることが多いのですが、はぐれてしまったのかな?
元気に動いていたので心配はないと思いますが、ちょっぴり気になりました。
そして、道端ではサッポロフキバッタがじっとしていました。
おしりを土に突っ込んでいます。おそらく産卵しているのでしょう。
踏まれないといいのですが。がんばれがんばれ!
山はもう秋から冬の姿へと変わりつつあります。
来週はもう11月ですね。