青!青!青! 構造色の素晴らしさ!!
上の写真は、先月末から今月はじめに出会った青い生き物。
この子たちすべてが、青色の色素を持たず、太陽光の中の青い光のみを反射するように羽の構造を進化させた者たちなのです。
構造色による青や緑の羽は、光の具合で色合いが変わり、見ていて本当に飽きません。
一体どうしてこのような進化が起こったのでしょう。誰かが考えて作ったわけでもないのに不思議ですね。
ちなみにニューギニアには、太陽光の99,7%を吸収してしまう「真の黒」の羽を持つ鳥がいます。これもまた構造色。
カタカケフウチョウというのですが、お暇なときに一度、彼らの求愛ダンスを検索して動画を見てみてください。
一度見たら忘れられない姿をしています。
さて5月の記録の最後に、クマゲラとセミを捕まえた母ヒヨドリたちの写真をのせました。
6月はその同じ場所での散歩の話から始めたいと思います。(日付としては5月28日)
ちなみに夫と野鳥友達Hさんと一緒に歩きました。
上の写真はトラフシジミという、体長3センチほどの小さなチョウです。
羽を閉じている時はわかりませんが、広げるとその美しさに驚きます。
今回は、野鳥友達Hさんにチョウについても色々教えてもらいました。
そして、大変貴重なチョウにも出会えたのです。
その名はジョウザンシジミ。
限られた場所で、ごく短い期間しか出会えないチョウです。
体長は2センチちょっとしかありませんが、宝石のようなチョウ。顔もかわいいですね。
見落としてしまいそうな小さな命。でも気がつくことができれば、自分の世界がどんどん広がっていくような気持ちになります。
そして嬉しい出会いもありました!!
遠かったけれど、カワセミが飛んできてくれたのです。
そしてそして、ヤマセミまで飛んできてくれたのです!!
目の前を通過していってしまいましたが、とてもきれいでした。
ヤマセミが飛んで行った先にはオシドリも泳いでいましたよ。
すっかり夏毛のエゾリスさんにも会いました。
2023年 6月1日(木)
一つ残念なお話をしなければなりません。
私の職場の森で営巣していたシマエナガですが、どうやら何かあったようです。
天敵に襲われたのか、気配がなくなってしまったのです。
ただ、巣に近づかないで離れたところから鳴き声をたよりに安否を確認していたので、もしかしたら気がつかないうちに巣立ったのかもしれないと思ったのですが、それにしては日数が早すぎるようです。
昨年も、10個ほどあった営巣情報のなかで、無事にヒナが巣立ったのは2個くらいだったので、なかなか厳しいものだなと改めて思いました。
さて、夕方に出かけたこの日の散歩は、イソシギとの出会いから始まりました。
毎年、ディスプレイフライトといって、オスがメスに求愛するために、賑やかに鳴きながら川面を飛ぶ姿が見られるのですが、今年はいつもより下流で行っていたため、木々に隠れて鳴き声はすれど姿は見えずでした。
この時は草むらに向かってしきりに鳴いていたので、子育て中のオスだったのかもしれません。
イソシギは父親が育児を引き受け、母親は途中でどこかへ行ってしまうのです。
さらに進むと、小さな影が飛んできました。これはもしや…
モズの赤ちゃんだ!! なんてかわいい!!
近くで親鳥が鳴いている声も聞こえます。
巣立ってから、それなりに時間が経っていると思われますが(巣立ち直後はもっとポヤポヤしている)、怖いもの知らずな幼鳥らしく、こちらを興味深そうに観察していました。
おや、木の向こうにはもう1羽の幼鳥が。親鳥も一緒ですね。
もう少ししたら、自分で虫を捕まえる様子が見られるでしょう。
そして雪が降り始める頃には南に旅立っていくのです。がんばれ赤ちゃんモズ!
さて、ここで花の話題を一つ。
ギンリョウソウという花をご存知ですか?
色素を持たないので全体が真っ白で、ユウレイタケとも呼ばれます。
保護のため場所は伏せますが、人が訪れることのない群生地を見つけたので写真をのせます。
辺り一面ギンリョウソウだらけでした。こういう場所を見つけるとワクワクします!
今の時代、鳥でも花でも珍しいものや綺麗なものがある場所を公表すると、あっという間に大勢の人が訪れて大変なことになりますが、逆に誰にも知られないままだと開発で消えてしまう恐れもあるので、どちらがいいのかなと考えてしまいます。難しいですね。
2023年6月3日(土)
今日は、橋の上を歩いているときに私の鳥センサーが反応!!
うむむむ…あれに見えるはアオサギではないですか。しかも口に何かくわえている!?
なにかなーー??
少し前にコメントをくださった柴犬コロさんによると、ヤツメウナギでしょうとのこと。
うん、確かに以前ヤマセミのかなちゃんもヤツメウナギを食べていました。まだいるんだなと少し安心します。
ヤツメウナギは、河川改修工事で激減してしまった魚の一つです。
私の祖父は寿司職人だったのですが、釣りが好きで昔はよくヤツメウナギをたくさん釣ってきたのだとか。
その頃には盛んに漁が行われ、道央は全国有数の出荷量を誇っていたそうです。それだけたくさんいたのですね。
1990年代には獲れなくなり、希少な魚となってしまいました。
私が幼い頃に亡くなってしまいましたが、第二次世界大戦ではシベリア抑留も体験した祖父に、当時の川の様子や戦争の話など、色々聞いてみたかったなと思います。
この時期、散歩と同じくらい目が離せないのが我が家の庭。
なぜならスズメの子どもたちがたくさんやってくるのです。
自慢できることではありませんが、我が家の庭はあまり手入れをしていないため隠れる場所も豊富で、エサも豊富。
もとは茶道の教室に使われていたため、「つくばい」という水場もあれば(水は毎日入れ替えています)、たいした作物も植えていない畑は砂浴びもしほうだい。
よって鳥には居心地のよい空間となっています。
スズメの他にも20種類以上の鳥がやってくる、私のだいすきな庭です。
スズメの親は、巣立って間もない頃は我が子を木立などに隠してエサを運び食べさせます。
子スズメが上手に飛べるようになると一緒に飛んできて、次から次にエサを口に入れてやります。
だんだん子スズメも自分でエサをついばむようになりますが、親がそばに来ると、ちょうだいー!と口を開けておねだりする様が微笑ましいですよ。
実は、以前から気になっていた一羽のスズメがいます。
いつも庭に来る群れの中に、右目をけがしている子がいたのです。
厳しい自然界では生きていけないだろうと思っていましたが、我が家の周辺でたくましく生き抜いているようで、いつも元気な姿を見せていました。
そしてつい先日、なんと子スズメを連れて現れたのです!!
ハンディキャップがある子育ては大変だろうけれど、とても嬉しい出来事でした。
2023年 6月15日(木)17日(土)
今週は、写真の失敗ばかりの散歩でした…
まずは橋の上から景色を眺めていた時です。
遠くで声がしたかと思うと、こちらに向かって大好きなヤマセミが飛んできたのです!!! これは千載一遇のチャンス!!
シャッタースピードあげなくちゃ!! でも露出は??
あわてると考えがまとまりません。ヤマセミはどんどん近づいてくる!!
と、思ったら直前でUターン、大きく円を描いて水の上を回りました。美しい!! 本当に綺麗です。
そして一度木に止まり、一呼吸おいたあとに再び舞い上がりました。
今度は高く飛んで、橋の上に立つ私と夫の横を通過していきました。
いつもは橋の下を通って行くのに大サービスです!!
それなのに…
私の頭も舞い上がってしまい、ちゃんとピントがあっているのは一枚だけ。
しかもフレームに入っていないー!!
泣きそうです。せっかくヤマセミのほうから近づいてくれたのに。涙。
この子はオスでした。なんだか顔が笑っているように見えるのは私だけでしょうか。
進行方向にワタワタ慌てる人間がいて、おもしろかったのかもしれません。
もう一つの失敗写真はオオルリ!!
毎年オオルリが営巣する場所があるのですが、その近くを通った時にエサを運ぶつがいのオオルリに会いました。
ヒナにエサを運んでいるのでしょう。
ところが私が通りかかったために、二羽ともくわえていたエサを自分で食べて、警戒鳴きを始めてしまいました。
これはいけない。子育ての邪魔をしてしまいました。
かなり怒っている様子。おそらく巣立ったヒナが近くにいるのでしょう。早く立ち去らなければなりません。
ささっと写真を撮って離れましたが、よくやる失敗をまたしてもやりました。シャッタースピードをあげたままだったので木陰にいたオオルリは真っ黒に。
せっかくのオスの青い羽は全く写らず、シルエットクイズのような写真になりました。
重ね重ねごめんなさいオオルリさん。
いつもの散歩道にはコムクドリのつがいが。
毎年このあたりで繁殖し、群れとなって大変にぎやかになります。
遠く東南アジアとの間を行き来する夏鳥です。
オスのコムクドリの後ろで動くものが。
よく見るとモズ??
モズの幼鳥のようです。ちょっとおもしろいツーショット。
そして、上ばかり見上げていた私の耳に、ガサガサガサという草をかき分ける音が。
すぐ横の斜面の草むらに金色の背中が見えました。え!? 子ギツネ??
いや胴体が長い!! テン?? いやイタチだ!!
振り返った顔はまぎれもなくイタチ!!
一瞬見つめあった後、さっと茂みに隠れてしまいました。
後ろ姿しか撮れなかったけれど、あんなに近くでイタチを見たのは初めてです。
顔の写真が撮れなかったので、冬に出会った時の写真ものせておきます。
イタチは本来、北海道にはいなかった動物です。
ノネズミを駆除する目的で人間が持ち込み、道内各地に放したのです。
そのため昔は平地に生息していたオコジョが山間部へと追いやられ、クロテンなど在来の動物に様々な影響を与えてしまいました。
他にも毛皮目的で持ち込んだミンク、ペットとして持ち込み放棄したアライグマなどなど、開発以外でも人間が自然に与えている影響はとてつもなく大きなものです。
北海道に大自然なんか残っていないと私がひねくれたことを思うのも、そんなこんなな理由です。
でも、たくましく生きているイタチには敬意を払います。きみたちはすごい!
さて、何度か通っているサンショウウオの池のリポートです。
まずは写真をご覧ください。
手足が生えて、まるで竜のような姿。
サンショウウオは先に前脚が生え、次に後ろ足が生えます。カエルとは逆ですね。
それにしてもすごい姿。飼育されているサンショウウオの幼生を何度も見たことがありますが、こんなふうにはなりません。
自然界で育つ個体には凄みを感じます。
タイミングが合えば、上陸した個体にも会えたらいいなと思っています。
サンショウウオの生態はおもしろいことがたくさんあるので、そのうち詳しく書く予定です。
その他ギャラリー
2023年 6月20日(火)
先月、私の職場で巣作りをしていたアカゲラについて書きました。
ところが巣穴が完成した頃になって、放棄してしまったようなのです。
原因として考えられることが一つ。園庭で行われるシャボン玉遊びではないかと思います。
シャボン玉遊びが始まったのと、親鳥が姿を消してしまった時期が重なるのです。
風に乗って巣穴近くまでシャボン玉が飛んでいて、私も気にはなっていましたが、こればかりはどうにもならなくて。残念です。
その後、別の方角から親鳥の声が聞こえていたので、巣穴を作り直したのではないかと思います。(今度は森の奥の方。急斜面で確認できず)
そして数日前、職場のK先生から別の場所で営巣しているアカゲラがいると教えてもらいました。
旦那さんとお二人で散歩をしている時に見つけたとのこと。
1キロほど離れているので同じペアではないと思いますが、仕事帰りに様子を見にいくと…
辺りに響き渡るアカゲラの声!! ものすごい騒がしさです!!
こっこれは、きっとヒナの巣立ちだ!!
声を頼りに歩いて行くと、大きく育ったヒナが巣穴から顔をだして鳴いていました。
どうしよう。これは飛び出してくるのも時間の問題でしょう。
ぜひとも巣立ちを見たい気持ちもありましたが、場所が悪い!!
なんとバス停の近くなのです。
しかも学校前のバス停で、帰宅する学生さんが長い列を作っています。
目の前には民家があって、ベランダからこちらが丸見え。
夕方の散歩をしている人もたくさん通りかかります。
カメラを持って立っているのは、人目がありすぎてきびしい…
しかも私の服装は、仕事着のエプロンをつけたままの、カメラマンとは程遠い姿。
しかし皆さん、これだけアカゲラの大声が響いているのに誰も気にしていないな…。
関心がないと気がつかないのかな。
結局、いたたまれなくて帰ってきてしまった私。
次の日の早朝に確認に行くと、巣穴はその役目を終えていました。
耳を澄ますと、木々の向こうからアカゲラの幼鳥の声が聞こえてきます。
どうやら無事に巣立つことができたみたい。
おめでとう!! 元気でね!!
それにしても、なんというタイミングのよさ!!
1日遅かったら出会えませんでした。感謝!!
2023年 6月25日(日)
今日は、うれしい出会いが二つありました!
一つ目は、子リスに出会えたこと。
5月の記録に母リスとの出会いを書きましたが、同じ場所で子どものリスに出会ったのです。
おそらく、あの母リスの子どもでしょう。
しばらくこの場所には来れなくて、もう他へ移動してしまっただろうと思っていたので、感激です!
月をまたいでしまいましたので、7月の記録に移動して、子リスの写真を再掲して続きを書きたいと思います。