森の入り口でカサカサという音に気がつきました。
息をひそめてしゃがんでいたら、ほらいた!!
ヤブサメの幼鳥です。なんて可愛い!!!
8月の記録のページですが、7月最後のお散歩もこちらに書いておこうと思います。
2023年 7月29日(土)30日(日)
今日は、サンショウウオの池に様子を見に行くことにしました。
池は水が減って、周りには背の高いヨシが生い茂り、水面がよく見えません。
でもヨシが踏み分けられている場所が。泥には足跡がいっぱい。
どうやらエゾシカが水を飲みに来ているようです。
ありがたくそこから池を覗くと…うーん。
水面にも浮き草がたくさん育っていて、水中がよく見えない。
それでも夫と二人で目を皿にして見つめていると、「いたっ!」という夫の声。
指差すほうをじっくりと見て、やっと気がつきました。
がいさい(頭の横のひらひら)が小さくなっているようですが、前回とあまり変わらない姿。
ただ、数はずいぶんと減っているような…
見えないというのもありますが、上陸をした個体もいるようです。
上陸した子たちに会いたかったのですが、蚊やらブユやらアブやらの攻撃に耐えかね、まともに探せませんでした。
そこで、別の場所で育った子ですが、きれいな金色のラメ模様を持つ子の写真が撮れたので、そちらをのせます。
(金色のラメ模様は、上陸したばかりの子の特徴)
(写真はクリック、またはタップをすると大きくなります)
野鳥友達Hさんによると、上陸は9月頃まで続きますが、なかには幼生のまま越冬するものもいるのだとか。
そういった個体のほうが、来年の春に餌をたくさん食べてより大きな体になるのだそうです。(春に新しく生まれる子よりも、越冬した子のほうが強く有利なため)
また、より寒冷な場所では幼生のまま2〜3年過ごしたり、幼生の姿のまま成熟する子もいるそうで、興味がつきません。
週末だけとはいえ、自然界のサンショウウオの成長を継続的に観察したのは初めてでした。今後もこの場所には定期的に訪れてみたいと思います。
ただ、北海道とは思えぬ暑い暑い夏。
サンショウウオたち水辺の生き物や、オショロコマ、イトウといった冷たい水でしか生きられない魚たちへの影響は恐ろしいものです。
世界各地で起こる大規模な山火事。かつてないほどの海面水温の上昇。
なんだか本当に、私たちを含めた生き物の世界がこわれていくようで暗い気持ちになります。
生活に追われてなかなか余裕がありませんが、見せかけではない本当の環境保護とはなにか、自分にできることはなにかを、これからも考えていきたいと思います。
さて、サンショウウオを探している時にずっと聞こえていた声がありました。
一つはアカゲラの幼鳥(7月の記録を参照)、すぐそばまで来てこちらを見ていましたよ。
もう一つはヤマゲラの声。
あれ?? でも一羽ではないですね。あちらからもこちらからも聞こえる。
そうこうしているうちに、次々に飛んできました!!
いち、にい、さん、し…5羽いる!! ヤマゲラの幼鳥(若鳥?)たちだ!!
しかし、すでに成鳥と見分けがつかない姿。
5羽のなかに親鳥が混じっていてもわからないかも。
背中の羽の様子から、この子は幼鳥だと判断したのですが、間違っていたらごめんなさい。
こちらは、近くの木にとまったもう1羽。
ヤマゲラは出会う機会の多い鳥ですが、印象的な出会いが多い鳥でもあります。
また一つ、ヤマゲラとのエピソードが増えて嬉しいです!
そして、この週末に他の鳥の幼鳥にも次々に出会いましたよ。
ただ、見分けるのが難しいのがヒタキ科の鳥たち。そっくりさんが多いのです。
まずメスの見分けが難しい。成鳥のオスは、それぞれの種でハッキリとした特徴があるので見間違えることはないのですが、メスの姿は似たり寄ったりなのです。
たとえばオオルリのメスとキビタキのメス。
下は図鑑に書いてある識別の仕方ですが、野外だと光の具合もあって難しい!
左がオオルリのメス。右がキビタキのメスです。
オスのオオルリは青い羽が美しく、キビタキは黄色と黒のコントラストが鮮やかで大変目立ちます。
ところがメスは、どちらも薄い茶色でおなかが白っぽく、パッと見どちらなのかわかりません。
しかも幼鳥となると、ますます混乱してしまいます。
さて、今回写した写真は見分けられるでしょうか??
一枚目はキビタキの幼鳥。目の上などに黄色い羽が生え始めていますね。
二枚目は…えーと、キビタキのメスであっているかな?
三枚目はコサメビタキの幼鳥ですね。コサメビタキかわいい!!
8月の表題に使ったヤブサメの幼鳥の写真も、この時に撮ったものです。
次から次へと幼鳥が現れるという嬉しいながらも慌ただしい散歩で笑ってしまいました。
ちなみに写真は撮れていませんが、メジロの幼鳥もいたし、ハシブトガラの幼鳥もいたし、川からは幼鳥かもしれないヤマセミの声もしていました!!
家に帰ると、シジュウカラの幼鳥とヒヨドリの幼鳥とスズメの幼鳥たちがお出迎え。幼鳥パラダイス!!
そうそう、幼鳥を見ているときに頭上でエゾリスがクルミをとっていましたよ。
見ていると熟して地面に落ちているクルミではなくて、まだ緑色のクルミを木からとって手際よく皮をむき、おなじみの姿になったクルミをどこかに持って行きます。殻を割るのは落ち着ける場所に行ってからですね。
人間の目で見ると、それってまだ熟していないのでは?? と思うけれど、違うのでしょうね。
どのクルミをとるかちゃんと選んでいて、その真剣な顔がかわいいです。
ちなみにクルミの実も葉もベタベタしていて、私は触るのが嫌なのですが、リスが持つとぜんぜんそんな風に見えないですねー。
2023年 8月1日(火)
今日は仕事でしたが、私のところに保護されたヤブサメが持ち込まれました。
職場の玄関にうずくまっていて、踏まれかけたとのこと。
最初は成鳥かと思いましたが、よく見ると幼鳥でした。
鳥インフルエンザなどの病気の可能性もあるので、うかつに触れません。
使い捨て手袋をつけて、布の上にのせました。
大きな外傷は見当たりませんが、目が変です。ちゃんと開かない様子。
推測ですが、バードストライクだと思います。
つまり、窓ガラスが鏡のように周りの風景を写しこみ、鳥がガラスに気がつかず、空間が続いていると思って衝突してしまうのです。
ヤブサメは笹薮の中にいることが多いですが、天敵に追われたのかもしれません。建物のそばまで笹薮がある場所なので、飛び出してしまったのですね。
衝突による脳震盪だけなら、なんとか助かってくれないかと思いましたがダメでした。
よほどの勢いでぶつかってしまったのでしょう。
スポイトで水を飲ませようとしましたが飲めず、午後には死んでしまいました。残念です。
バードストライクは窓ガラスの他に、風力発電のための風車や航空機など、さまざまなところで問題になっています。
特に風車は、エコなエネルギーとして増えていますが、風の通り道は鳥たちの通り道でもあるのです。
衝突で死ぬ鳥はかなりの数にのぼり、とくにオオワシやオジロワシといった猛禽類や海鳥たちへの影響が心配されています。
どうしたら回避できるのかという研究がもっとすすんで、早くちゃんとした対策がとられるといいのですが。
ちなみに窓ガラスは、ステッカーなどを貼る対策方法(バードセイバー)もありますが、見た目が悪くなると心配される方には、紫外線を反射するタイプのステッカーがあります。
鳥は紫外線が見えるのでステッカーがあることに気がつきますが、人間は紫外線が見えないので認識しにくいという商品です。
何度もバードストライクが起こるようなら、そういう商品を使うのも良いと思います。
また、職場にはたくさんの野鳥がいますが、爬虫類や両生類もよく姿を現します。
爬虫類の代表はカナヘビ(ニホンカナヘビ)です。
全長16〜27センチ。とても長い尻尾を持っていて、走ると蛇のように見えます。
顔はとても愛らしいですけどね。
外に置いてあるカゴをどけると下からでてきたり、玄関に入り込むことも。
敵につかまりそうになると尻尾を切り離しておとりにするのですが、切り離された尻尾がまるで生きているように暴れまわるのです。
敵がそちらに気をとられている間に本体が逃げるのですが、本当に誰が考えたんだろうという仕組みですよね!!
生きた餌しか食べないので飼育は難しいのですが、責任を持って飼うことができるなら、長径1センチほどの卵を産むことも。
ただ秋には冬眠に入るので、寒くなる前に元いた場所に返してあげるのがベストだと思います。
7月の記録で、散歩道にキイロスズメバチの巣があったことに触れましたが、今度はクロスズメバチの巣を見つけてしまいました。
人の腰くらいの高さにぶら下がっていましたよ。気をつけないとですね。
見えている巣はまだいいのですが、笹薮などの土の中に作られていて知らずに踏み込んだり、公園の側溝のなかに巣があって、蓋の上を歩いたら襲われたりといった事故もあるので気をつけたいですね。
2023年 8月12日(土)
暑いですね!!! 本当にどうなっているのでしょう。
とりあえず暑さを避けて早朝に散歩に出たのですが、今日はすぐにヤマセミの声がしました!!!
よし!! ここなら笹薮もあまりないので見えるかも!!
足音をさせないように細心の注意をはらって、木々の隙間がありそうな場所へ。
小枝を踏むパキンッという音にも気をつけます。
うーん、見えづらい!! それでも様子をうかがっていると…
あっいた!! 飛んだ!!
ボンッ!! という水音!! 魚を獲ったようです!!
近くの木にとまって食べているみたい。でも枝葉で見えません。
仕方がないので気配をうかがいながら、目の前の川を見ました。
ちょうどいいところにヤマセミの好きそうな枝があります。
ここにとまってくれないかしら? ちょっとだけ待ってみることにしました。
しかし、魚を食べた後のヤマセミは、まったりとして動かないことも多いのです。
静か…おなかいっぱいになったのかな。こうなると30分くらい動かないかも。でも、魚がとれてよかったね。
私の集中力が切れてきた頃、目の前にコゲラがやってきました。
かわいいので、なんとなくカメラをそちらに向けて写真を撮った時です、
急に現れたヤマセミが狙っていた枝にとまったーーーーーーー!!!!! うそ!!!
私を一瞥したヤマセミ、ささっと少し遠くの木に移ってしまいました。
ガーン!! 写真撮れなかった…
せっかく狙い通りだったのに…
でもまあ、久しぶりにはっきりと姿を見ることができました。
7月の記録に書きましたが、今年は工事の関係で川の水量が多いのが幸いしているようです、来年もずっとこうだといいのだけど。
どうしても人間の水の使用量が増えると、川の水が減って魚が窒息するんじゃないかという状態になるので、節水は本当に大切ですね。
そして歩き出した私の眼の前を、スタスタ横切る動物が。
あわわわ、タヌキだ!!
でも様子が変。毛がずいぶん抜けています。
これは疥癬にかかっているに違いありません。かわいそうに…
以前、キタキツネの疥癬について書きましたが、ヒゼンダニというダニが皮膚に潜り込み、毛が抜け弱って数ヶ月で死んでしまうのです。
人間の食べ物を食べ、調味料や添加物で下痢をおこしたりすると抵抗力が弱り、発症してしまうことが多いそうです。
この辺りでも食べかけのおかしや惣菜の容器などが捨てられていることもあり、もしかしたらそういうのも原因かもしれないですね。
餌付けなのか、シリアルのようなものがバラまかれていたこともありますし。なんだかやりきれない思いでタヌキを見送りました。
一応、写真も撮りましたが、カメラがヤマセミを撮る設定になっていたので画面が真っ黒に。しかもピントがあっていません。
それでも調整してのせるだけのせておきます。
気温も上がってきたので帰宅することにしましたが、大きなトンボが飛んできました。
オニヤンマだ!!
林道にそって飛んでいる姿をよく見かけますが、虫を捕食しやすいからでしょうか。
2匹いて、時々からむように飛びます。つがいかな??
今日はつけていませんが、虫除けの「おにやんま君」を愛用しているので、なんとなくオニヤンマを見ると「お世話になっています」という気持ちになります。
(おにやんま君は、オニヤンマの形をした実物大のブローチで、つけていると蚊などの小さな虫が寄ってこないのです。オニヤンマは小さな虫の天敵だからです)
ちなみに、新商品の「あかねちゃん」(アキアカネの姿)も好評のようですよ。
2023年 8月20日(日)
なんと!! 職場にカメラを忘れてくるという大ポカをしました!!!
職場の森でチャイロスズメバチの写真を撮ったので、その珍しい生態について書こうと思ったのですが…
更新は来週にします。
こんな時に限って、窓の外からチゴハヤブサの声が聞こえてきます!!!
カメラもレンズも一個しかないので何も撮れませんーーーーー!!涙
2023年 8月26日(土)
今日の出会いはキツネさんから!!
異常な暑さがつづく毎日。本当にどうなっているのでしょう。
生き物たちにも異変がおきているのではないでしょうか。心配です。
そんな中で早朝に出かけた散歩。
ガサガサという音に耳を澄ませてじっとしていたら、キツネがトコトコ歩いてくるところでした。
こちらには気がついていない様子。リラックスした表情と歩きかた。
だいぶ近くに来てから顔を上げ…気付いた!!
カシャカシャッと写真を撮ったら慌てて体だけ反転させたので、バイバイと私から背中を見せて去ることにしました。
またね〜!!
そして山のほうからかすかに聞こえた声が。私の野鳥センサーが作動!!
キャッキャッキャッという声の後、大きな鳥が飛び出してきました。オオタカだ!!!
いやしかし、まてまて。
前にも書いたかもしれませんが、オオタカと一回り小さいハイタカは、飛んでいる時の識別が難しいのです。(高低差があるため大きさがわかりにくい)
以前なら「パタパタ飛んでいるからハイタカかな??」くらいの認識で、いい加減に済ませていたのですが、ブログにのせるとなるとそれではダメですね。
ちゃんと検証しましょう!!
まず大きさ。タカはメスの方が大きく、ハイタカのメスとオオタカのオスが同じくらいの大きさなので、まぎらわしい。
でも、山から飛び出してきた時かなり大きかったので、オオタカのメスの可能性が大。
次に顔。おや? オオタカの特徴である黒のアイマスクがありませんね。
はっきりとした白のライン。だけどハイタカの顔とも違います。
おお!! これはオオタカの幼鳥の可能性が大!!
次に体の模様。胸のあたりが縦斑、お腹が横斑ですね。
この縦斑、オオタカの幼鳥の特徴で、生まれてから2年ほどかけて徐々に横斑に変わっていくのです。(大人になるのに2〜3年かかる)
というわけで、私が出会ったのはオオタカの幼鳥(2歳くらいの若い個体)のようです!!
間違っていたらごめんなさい!!
早朝に散歩をするとよく出会うのがエゾリスです。今日も5匹のリスに会いましたよ。
最初の2匹は公園の芝生をちょろちょろしていました。兄弟でしょうけど危ないな〜。こんな開けた場所にいたらタカたちに狙われそうです。
次に出会った子は、クルミを貯食中。木の皮のすきまに一生懸命に埋め込んでいましたよ。
あちこち飛び回って忙しそう!!
この子は、私のそばに寄ってきたと思ったら、枝にはさんであったクルミを持って行きました。
私にとられると思ったのかな? そこにクルミがあることさえ気がついていなかったのですが。
早朝の散歩で困ってしまうのがクモの巣。
散歩道を塞ぐようにいくつものクモの巣が張られているのです。
朝日が低い位置から差し込むせいで、一つ一つがとても美しい。なかにはまだ作っている最中のものも。
見ているとまさに職人技です。自在に糸を操るクモたち。誰に教えてもらうわけでもないのに見事な模様を作っていきます。
壊したくはないのですが、どうかいくぐっても引っかかってしまう。クモさんごめんなさい!
歩いて行く先にまた一つ巣があったのですが、頭上からひらひらと葉が落ちてきてくっついてしまいました。
すぐさま現れたのは緑色のクモ(忍者のように一瞬で上から降りてきました)。ただちに葉を取り除く作業を開始!!
最後の写真、葉がとれた瞬間に、またまた忍者のようにヒョーッと上に戻りました。
昆虫の話題が続きます。
今年の猛暑は虫たちにも影響を与えているようです。
はっきりしたことは言えませんが、スズメバチがとても多い。
草木の多い私の職場でも刺された人がたくさんいて、パトロールをすると巣を見つけました。
スズメバチといえば、黄色いシマシマ模様を思い浮かべる方も多いと思いますが、見つけたスズメバチは黒。
これは間違いようもありません。チャイロスズメバチです。
(写真、虫の苦手な方は閲覧注意)
チャイロスズメバチは、オオスズメバチやキイロスズメバチよりも毒性は低いようですが、攻撃性がとても強く、場所も子供達が遊ぶすぐ近くであったため、専門業者さんに駆除をお願いすることになりました。
チャイロスズメバチの生態は独特です。
なんと、同じスズメバチの仲間であるキイロスズメバチの巣を乗っ取るのです。
キイロスズメバチの女王蜂が巣作りをはじめた最初の段階で、チャイロスズメバチの女王蜂が巣に侵入。キイロスズメバチの女王蜂を刺し殺してしまいます。
そして自らの卵をキイロスズメバチの働き蜂に育てさせるのです。
やがて巣はチャイロスズメバチだけとなります。
人間の目で見ると、「極悪非道なチャイロスズメバチ」となりそうですね。
ですがスズメバチの寿命は短く、女王蜂でも一年、働き蜂は半年ほどしか生きません。
厳しい自然界で確実に子孫を残すため、これが彼らの生き残り戦略なのでしょう。
また今回、仕方なく巣の駆除をすることになりましたが、本来スズメバチは害虫を食べることで森の木々を守る大切な役割を担っています。
人間にとって脅威であっても、それらを含めた全てのつながりが環境のバランスを保ち、私たちが生きている世界を守っていることを考えると、むやみに駆除をしてしまうのも考えものです。
またもやひねくれたことを言いますが、あちこちでもてはやされる人間に都合の良いものだけで作られた自然は、もはや自然ではありませんし、持続不可能なファンタジーでしかありません。
それはゲームの中の世界であって、現実ではないと思うのです。
帰り道、目の前にアオジが飛び出してきて、そのままじっとこちらをみつめていました。
逆光だけど、とてもかわいい姿だったのでパチリ!!