恋のライバル?!
いやいや、つがいどうしの場所取り合戦??
春の森は賑やかです。
(先月のクマゲラの記録、遅くなりましたが書いています。そちらも読んでいただけたら嬉しいです)
少しでも春めいてくると始まるアカゲラの求愛。
先月に何度か見かけた場所で、この日も2羽のアカゲラが向かい合って並んでいました。(13日の土曜日)
だけど、なんだか様子が変です。
よーく見てみると、あれ?? どちらもメスですね。
(写真はクリック、またはタップをすると大きくなります)
メス同士が、互いに近づいたり離れたりを繰り返しながら、時にはくちばしを突きあわせています。
どんな状況??
その時です。けたたましい鳴き声がして、別の2羽がメスたちのところに飛び込んできました!!
そのままもつれあうように飛び、地面に落ちたのは…2羽のオスだ!!
なるほど、わかりました。
どうやら二組のつがいが、巣穴を掘る場所(テリトリー)を争っているのですね。
メスはメス同士、オスはオス同士で戦っているようです。
この2羽のオス、見分けがつきます。
一羽は白い羽の部分が真っ白。本当に透き通るような白さです。
もう一羽は少し黄色がかっています。年齢の違いでしょうか??
さて、ここから面白いことがはじまりました。
少し飛んで、木の幹をはさんでとまる二羽。
にらみ合ったり、くちばしを上に向けて鳴きながら、木の根元まで降りてきて、また次の木に移って同じことを繰り返します。
そしていつもよりも力強く響く声。
キョッキョッキョッキョッキョッ ケレレレレレレ…
人間にはそのルールはよくわかりませんが、時々離れて休憩(?)しては、また同じ木にとまって、鳴きながらヒョコヒョコと根元に降りていきます。
うーん、どっちが強いのかな??
そして、勝利したのは真っ白いオス!!
黄色がかったオスは飛んで行ってしまいました。
メスのほうも勝負がついたようです。
ん?? でも、このオスとメスがつがいとは限らないですね。
片方が勝って、片方が負けた場合はどうなるのでしょう??
見ていましたが、この後はエサとりを始めてしまってよくわかりませんでした。
まっ、いいか!! この場所で巣作りが始まったら面白いですね。
その時は邪魔にならないように観察しましょう。
近くでは、嬉しそうに樹液をなめるエゾリスがいましたよ。
すごく美味しそうな顔をしていて、思わずハイ、チーズ!
そして、川ではヤマセミのつがいが飛んでいます!!
下の写真は5日に撮ったもの。
にぎやかな声が聞こえたので茂みの間からそっと見ると、オスとメスの二羽が並んでとまっていました!!
だけど、かなり遠い距離なうえに一応隠れていたのに、すぐにこちらに気がついたようです。
メスがさっと上の木に飛び移ってしまいました。
オスはジロッとこちらを見ています。
どうやら邪魔をしてしまったみたい。ごめんなさい!!
それからも、二羽で川に沿って飛んでいく姿を何度も見かけています。
声を聞くだけでも嬉しい!!
ただ、雪解けの増水がひどくなってからは他の場所に移動した様子。
無事に繁殖できるといいですね。
嬉しい出会いの反面、心が傷む出会いもありました。
ヤマセミを見ている時に、ふと気配を感じて後ろを振り向くと、藪の向こうからキツネが二頭駆けて来ました。
仲睦まじく顔を寄せ合って、頬をくっつけています。
おそらくつがいになったオスとメス。
微笑ましくて隠れたまま見ていたのですが、一頭の尻尾が半分ほど毛が抜けているのに気がついて泣きそうになりました。
間違いなく疥癬にかかっている症状です。
ヒゼンダニというダニが皮膚に潜り込んで、これから猛烈なかゆみと共に全身の毛が抜けて、皮膚が硬化して口を開くこともできなくなり、半年もしないで死んでしまうことになります。
この原因の一つが、ゴミや不用意な餌やりで人間の食べ物を食べてしまうこと。油分や塩分、糖分などの多い食べ物を食べることで下痢になり、抵抗力が落ちてしまうのです。
こんなキツネを、今年に入ってから早くも3頭ほど見ています。
そして、つがいのもう一頭は、冬に川を渡る姿を見せてくれたあのキツネではないでしょうか。
もしかしたら、接触感染でダニがうつってしまうかもしれません。
子狐が生まれたとしたら、その子たちも同じ運命をたどるでしょう。
どうにかしてあげたくても、私には手段がありません。
もどかしいです。
せめてできるのは、安易にごみを捨てることから起こる悲劇を、人間の目には映らないところでたくさんの苦しんでいる命があることを、少しでも多くの方に伝えることだと思っています。
閲覧注意
疥癬にかかったキツネの様子を少し載せます。
ショックな写真もありますので、見たくない方はスルーしてください。
私が秋に出会っていたエゾシカの群れが駆除で殺されて、残った頭部を疥癬にかかったキツネが食べていました。
食べている最中も体が痒いのでしょう。何度も体を雪に擦り付けながら必死になって食べています。
だいぶ毛が抜けていますから、保温力も低下して凍えてもいるでしょう。
最後の写真は、症状が進んで目を開けるのもままならない状態のキツネ。
まともに獲物もとれませんから、飢えで衰弱しています。まもなく死んでしまうでしょう。
キツネもシカも、大自然が残っているはずの北海道の現実です。
暗い話題になってしまいました。
6日(土曜日)にあった、おもしろかった出会いも書いておきます。
歩いていると、公園のフェンスからヒョコヒョコと見え隠れしている物が…
あっ、こちらを睨んだ。
オオアカゲラ君です。わざわざ木とフェンスの間に入って虫をとっていたみたい。
この後、また根元の方を掘るために雪の中に入って行きましたよ。
川からは今日もホオジロカモの大きな声が。
もうすぐ旅立ちでしょうね。無事に繁殖地につけるといいのですが。
木に隠れてホオジロガモを見ていたら、オシドリの群れも通過して行きました。
曇り空でしたが、オスの色彩が鮮やかです。
オシドリと交差するように、カワアイサのつがいもやってきました。
顔を上に向けて仲良く水を飲みながら進んできて、私の前で羽繕い。
目が合いましたけど特に気にする様子はなし。
こうやって川辺で隠れていると、面白いことがよく起こります。
風を感じ、季節を感じ、気配が周りに溶け込むせいでしょうか。
この時はまず、目の前をヤマセミのペアが鮮やかに横切っていきました。
背後の枯れ木ではハシボソガラスの夫婦がポキポキと枝を折り、巣材集めを始めましたよ。小気味良い音と共に、夫婦の会話(?)も聞こえてきます。
すぐ横の笹藪からは、夏鳥のウグイスの声が。
目をこらすといたいた。でもどうやら若鳥のようです。歌が下手くそですから。
木々の間から大きな影が見えたと思ったら、アオサギですね。
そして、遠くのほうにはダイサギの姿も。
次の日、土手の方ではカケスが飛び出してきましたよ。
お得意のモノマネは、今日はお休みなのかな?
私の目の前を横切っていったエゾリスさん。
もうすぐ赤ちゃんが生まれる時期に入りますね。
しばらくは邪魔をしないように気をつけます。
ハシブトガラも巣作りの真っ最中。
あちこちで色々な鳥が巣材集めをしていておもしろいです。
こちらのハシブトガラスは、ヤマブドウのツルの皮を丁寧にほぐして集めていました。
卵を置く場所に柔らかい皮を敷き詰めるのかな。ブラッシングをしている犬から落ちた毛も持って行っています。
子どものためにがんばっていますね。
先月、今月と、なかなか思うように散歩に行けず、更新も日付がバラバラになってしまいました。
やっと色々と生活が落ち着いてきたので、来月はちゃんと記録を書いていこうと思います。
職場の森ではシマエナガのつがいがとびまわり、今年も巣をつくっているようです。
散歩に行けなくても、夏鳥たちが次々に到着して鳴き声を聞くたびに、「あっ、〇〇が到着した!!」と嬉しくなる4月でした。
来月はどんな出会いがあるかな。