出会う機会の多い猛禽類ですが、トビほど知られていないのは鳴き声のせいかな?
トビほど特徴的ではないけれど、甲高くてよく響く声は時代劇のバックに似合いそうです。
体長はオスで52センチ。メスで56センチ。トビより少し小さいですね。ハシブトガラスと同じくらいだと思います。
(大きさ以外にオスとメスの外見上の違いはありません)
空を飛ぶ姿は白く輝いて見え、とてもきれい。
下から見上げた時に、両翼の端に黒い模様があるので、他のタカ類と見間違えることは少ないと思います。
ただ、野外で出会う時はお天気も色々、出会い方も色々。そして模様には個体差もあります。こればかりは何度も見て経験を積まないと難しいですね。
顔は優しげに見えます。なんというか、目がくりっとしていてかわいい顔立ちです。
上の写真は、日差しがバンバン当たっていたせいか瞳孔が小さくなっていますが、いつもは黒目が大きく見えます。
そんなノスリですが、狩りはなかなかに勇壮で、ホバリング(停空飛翔)から舞い降りて獲物を捕らえます。
ネズミが多いようですが、他にも蛇やカエルなどを捕食します。その際に地上で大きく羽を広げる様から、「野を擦る」「ノスリ」、という名前がついたのだとか。
秋、北海道から本州へ移動するために、室蘭などでは上昇気流にのって集団で円柱状にのぼっていく「鷹柱」がみられます。
なかには九州あたりまで行くものもいますが、冬に北海道からノスリがいなくなるわけではありません。
さらに北、サハリンのほうから渡ってくるものもいるようですし、地元に残っていると思われる個体もいるようです。
実は、鳥の移動はわかっていないことも多いのですね。
さて、そんなノスリとの思い出ですが、クマタカと関係があって、山の稜線にとまっている白い鳥がノスリなのか、クマタカの若鳥なのかで悩んだことが2回あります。
一回目の時、それはノスリでした。
ウンウン言いながら双眼鏡を握りしめていると、ヒョーイというように羽を広げて別の木に移ってくれたのです。ありがとう!ノスリさん!
でもプレッシャーをかけてしまったかと反省。
二回目の時、それはクマタカの若鳥でした。
それが「クマタカ物語」の白ちゃんを初めて見た日だったのです。