知床にいるイメージが強いけれど、全道で見られるオジロワシ。
札幌のような都市でも上空を飛んでいるので、いることを知っていれば出会う機会は多いと思います。
なにせ大きい!! 体長はオスで83センチ、メスで92センチ。木にとまっていれば遠くからでもわかります。
また羽を広げると、その幅は2メートルにもなります。
オス、メスの違いは大きさだけなので、見分けるのは難しいのですが、並んで木にとまっているとメスのほうが堂々としているように見えるかも。
(写真はクリック、またはタップすると大きくなります)
冬になると我が家の近くにも現れるので、寒くなってくると空を見上げてソワソワ、ワクワクしてしまいます。
広げると2メートルにもなる翼で、上昇気流に乗って高く高く高く高〜く舞い上がっていく姿は、圧巻です!!
名前の通り白い尾羽が輝いて見え、本当に美しい。
双眼鏡で見えなくなるまで見送って、ホウッとため息。
なんの道具も使わずに、その翼だけで風を捉えて、空を自由に翔ける命に憧れと敬意を持ちます。
その目にはどんな景色が映っているのでしょうか。
オジロワシとの印象的な出会いがいくつかあります。
ある冬の日の朝のことでした。
台所のブラインドを開けた時、遠くの木にとまっている影に気がついたのです。
あれはまさしく!!
家の窓ごしに出会えるなんて素敵です!!
私はその日が休日であったことに感謝して、家族の朝ごはんの用意もそこそこに、カメラを持って飛び出したのでした。
さて、そこから近づくのが難しい。
オジロワシの邪魔はしたくありませんが、彼(彼女?)からはとっくに見えているでしょう。
ワシの目は、3キロ先にいるウサギが見えるのだとか。
こそこそしていては逆に警戒されると思った私は、極力オジロワシのほうを見ないようにしながら、ただの散歩のふりをして距離を縮めたのでした。
途中、まわりの景色の写真を撮る演技つきです。
もっとも、そこまでしたのにピントがいまいち合っていない写真になったのは反省です。
もうひとつは、2月下旬のことです。正確には2021年2月26日13時頃。
その日、川でヤマセミのかなちゃんを見ていたら、オスのヤマセミ、こじろう君がやってきました。
あら素敵。仲良しの様子が見られるかも、と思ってじっとしていましたが、ふと顔を上げると、対岸の山の中腹あたりにオジロワシの姿が見えました。
不思議です。羽を広げて飛んでいるのですが、一点から動かないのです。
ホバリングのように羽を激しく動かすのではなくて、大きく広げたままじっとしています。
風をうまくとらえているのだろうな、と思って見ていると、少し離れたところにもう一羽が同じように浮かんでいました。
これは何かが起こる? と思いましたが、目の前にはヤマセミがいます。
どうしよう! どっちを見よう? どっちにカメラを向けるべき?
そんな時に限って、背後からはクマゲラの声まで聞こえてきました。
うそー!! なんだかもうパニックです。
そのとき持っていたカメラは、夫に借りた一眼レフ。古い古いレンズでしたが、それでもコンパクトカメラでは撮れない飛んでいる姿が写せます。
よって、オジロワシにカメラを向けた時でした。
あっ、と思った時には頭上に二羽のオジロワシが飛んできていました。
そして二羽で激しく絡み合いながら、大きく円を描くように飛び、そのまま見えなくなりました。
今のは何?何?
とっさにシャッターは押しましたが、写真はボケボケで泣きしました。
もしかしたら、これがディスプレイフライト(求愛の飛び方)なのかな?
野鳥友達Hさんにきいたところ、求愛にしては時期が早いかな?とのこと。
うーん、遊んでいただけかな?
もうひとつのエピソードは、初夏の出来事。5月だったと思います。
冬鳥のツグミたちが、渡りのために集まりだして、草原が歩くツグミだらけになっていました。
これから遠く、シベリアまで飛んでいく彼らに思いを馳せていると、急に草原いっぱいのツグミたちが、みんな揃って学校の「気をつけ」のように背筋を伸ばして、微動だにしなくなりました。
あれ?と思って空を見上げると、遠くからオジロワシが飛んでくるところでした。
天気の良い日で、尾羽が輝くように白く見えます。
オジロワシはそのまま通過していき、一呼吸おいた後、ツグミたちは一斉に動き出しました。
ツグミにとっては笑い事ではありませんが、なんだか、だるまさんがころんだを思い出した出来事でした。
さて、そんなふうに尾羽が白いオジロワシですが、下の写真のように若鳥は尾羽が目立ちません。
オジロワシは、大人になるまで6年もかかるそうです。
白く輝く尾羽は、立派に生き抜いてきた証拠なんですね。
そして「クマタカ物語」のオジロワシです。
あの時は本当にドキドキしました。
それまでも、飛んできたオジロワシに対してクマタカがモビング(追い払うための嫌がらせ攻撃)をするのを見たことがあったのですが、獲物を前にしてどうなるのだろうと。
結果は物語に書いたとおりです。
無用な争いは避けるということですね。
追記
その後に出会ったオジロワシの印象的なエピソードも追加していきます。
上の写真については、2023年 2月の記録をご覧ください。
上の写真については、2024年 1月の記録をご覧ください。