アオジ

笹薮でゴソゴソゴソ…いかにも何かいるぞという気配。そおっとのぞくと、「なんだアオジか」ということがよくある鳥。
なんだとは失礼な話ですが、それだけよく出会うおなじみの鳥です。我が家の庭にもよくやってきて、虫や草の種を食べているようです。
緑がかったグレーの頭と黒い顔、おなかの黄色がよく目立つオス。
優しげな顔に、おなかの黄色、脇の横じま模様が目立つメス。
体長は15.5センチ。スズメよりちょっと大きかなという印象です。
(写真はクリック、またはタップすると大きくなります)

春のさえずりはとてもきれいで、チョッ ツーチョッ チッチチロリというような複雑なメロディーを奏でます。
おなじみの鳥とはいえ、聞き惚れてしまいます。
一方、地鳴きといわれるいつもの鳴き方は、チッ チッという控えめな声で、藪の中から聞こえてくるとアオジだなと思うのですが、ホオジロも似たような場所にいるので間違えることも。
ただよく聞くとホオジロは、チチッ チチッと2音になっているので聞き分けができると思います。

夏鳥のアオジは、秋に南に向けて旅立ちます。
冷え込みが厳しくなる頃にいつもの散歩道を歩いていると、両側からチッチッといつもより賑やかに声が聞こえてくることがあって、そろそろ出発するのかな? がんばれよー! と毎年エールを送ります。
そして案の定、数日後にはシーンと静まり返った藪にアオジの姿はなくなるのでした。
今頃はどこを飛んでいるのでしょう。来年の春にまた会えることを祈りながら、ちょっぴり寂しい気持ちになるのも毎年のことです。

そうそう、一度、真っ黒なネコがアオジをくわえて藪からでてきたことがあってビックリしました。
低い場所にいるのでネコのような動物にも狙われるのでしょうね。
黒猫はノラで、本当に黒ヒョウのような鋭い眼光をしていたのが印象的でした。
人間が持ち込んでしまった動物が生態系に与えるダメージは大問題ですが、野生で生きるネコのしなやかで強かな姿には感心してしまいました。