ハシブトガラ コガラ そしてヒガラ

さて、上の写真はハシブトガラでしょうか、それともコガラでしょうか?
この2種類はそっくりでほとんど見分けがつきません。
大きさも、体長12.5センチとぴったり同じ。
くちばしの合わせ目が白いのがハシブトガラで白くないのがコガラだとか、頭に光沢があるのがハシブトガラだとか、一応違いはあるのですが、外で見ると光の加減もあるので見分けるのはほぼ無理!!
そうなると写真を撮っておいて後から判断するしかないのですが、そこまでして見分けなくても・・・なんて思ってしまうくらいそっくりです。
(ちなみに両種ともオス、メスの外見上の違いはありません)

唯一、歌声が違うので、さえずりを聞くことができれば外でも判別が可能です。
ハシブトガラは強い連続音でさえずり、コガラは澄んだ高音をだします。
ただこれも時期やタイミングがありますから、辛抱強く待つことが必要ですね。
(写真はクリック、またはタップをすると大きくなります)

ところがこの2種、外見はソーメンと冷麦ほどの違いしかないのに、生態はちゃんと違うのです。
一番の違いは、自分で巣穴を掘るか、掘らないか。
まずはハシブトガラ。この子たちは日本では北海道にしかいません。
子育ての時期になってもあまり遠くにはいかず、樹洞やキツツキの古巣を利用して巣を作ります。
そしてコガラ。こちらは北海道以外にもたくさんいますが、本州のコガラは鳴き声やリズムが違うのだとか。
子育ての時期になると針葉樹の多い山に飛んでいき、枯れ木に自分で穴をあけて巣穴を作ります。キツツキみたいですね。カラ類では本種だけができる技だそうです。

そうそう、おもしろいことに、この子たちが警戒したときの鳴き声「チカディーディーディー」の、ディーの数が多いほど「危険だ!!」という合図なのだそうです。
そういえば、気がつかないで子育て中の巣に近づいてしまった時、めちゃくちゃにディーディーディーディー言われたことがありますが、あれは超超超危険!!という意味だったのですね。
そしてその声を聞くと、まわりの仲間たちも警戒したり、激しく敵を追い払おうとするのだとか。
冬は混群(種類の違う鳥が集まって作る群れ)になっていますから、別の種類の鳥もディーの意味をちゃんと理解しているようです。
シジュウカラのページで、鳥たちのコミュニケーションについて書きましたが、これもその一つですね。

最後にカラ類では最小の鳥、ヒガラについて書きます。

体長10センチほどしかなく、ちょこまか動き回るのでいい写真が少ないのですが、後頭部にハゲのような白線があってかわいい姿をしています。
(オス、メスの外見上の違いはありません)
小さいのに声はよく響いて、ツピツピツピと甲高い声でさえずっていると目立ちます。
針葉樹の種が好物らしく、松の木にいることが多いです。
一見、小さなシジュウカラに見えることもありますが、胸にネクタイがないのと、頭の羽毛をよく逆立てているので見分けはつきやすいかな。
混群に混じっていても、他の鳥ほど目立たないので、見つけると、おみくじにあたったみたいなラッキー感があります。
また一年中同じところにいる鳥と思われていますが、実は移動しているグループもいて、よくわかっていないのだとか。

カラ類はどれも比較的身近にいる鳥。
でも、よく観察してみると色々な発見があって、いつもワクワクします。