カワラヒワ

キリリリリとかコロロロとか聞こえる声は、他の野鳥が鳴いていても聞き取りやすいように思います。続けてグイーッとかビーンという声を出していることも。
体長は14〜17センチ。ちょうどスズメくらいの大きさです。
(写真はクリック、またはタップすると大きくなります)

一枚目と2枚目の写真はオス。
オスは、オリーブ色というのでしょうか、綺麗な緑色をしています。
3枚目の写真がメス。
全体的に白っぽい印象です。恐らく、子育てのための巣作りや卵を温めるのはメスの役目なので、目立たないような配色なのかもしれませんね。
オスはその間なにをしているのかというと、警備員のようにメスと巣を守っているのです。オスはオスで大変なのですね。

春、恋の季節が始まると、オスからメスへ餌のプレゼントをする求愛給餌がよくみられます。
メスがオスに対して、翼を下げ細かくふるわせながら口を開け、まるで雛が餌をねだるような姿勢をとると、オスがすかさずその口に美味しいものを入れてあげます。
見ていて微笑ましい光景です。


ヒナが産まれると、二羽そろって植物の種を運び食べさせます。
多くの鳥が虫をヒナに与えることが多いなか、種だけで育てるのは珍しいのではないでしょうか。
私は、カワラヒワがヒマワリの種を食べる様子を見るたび、クチバシがなにかの工具みたいだなと思います。
くわえた種をくるくると回しながら、あっという間に皮をむいてパリパリゴックン。種を食べるために進化したクチバシなのでしょうね。

オスメスともに、羽の黄色い帯が目立つので、飛んでいる姿を見てもカワラヒワだとわかることが多いです。

さて、このカワラヒワですが、夏鳥なので寒くなると本州へ渡っていきます。
ところが入れ替わるように、サハリンやカムチャッカ半島などから冬鳥のオオカワラヒワという鳥が渡ってくるのです。

この二種、野外で見るとほとんど見分けがつきません。
大きさの違いもそんなにないし、翼の白い部分がオオカワラヒワのほうが目立つらしいのですが、光の具合もあるし、個体差もあります。
はっきり言って、写真で見ても少々わかりずらいです。
なので、私はそこまでこだわらず、真冬に出会えばオオカワラヒワなのだろうな、というくらいの認識でいます。

一度、1月の末にオオカワラヒワの大きな群れに出会ったことがあるのですが、厳冬期の雪景色のなか、丸々とした姿でにぎやかに梢を渡っていく姿が印象的でした。
また会えるといいな。