上の写真はオオルリ。まさに日本の青い鳥の代表ですね。
青い羽を持つ鳥は他にも数種類いて、コルリやルリビタキ、カワセミなどがそれにあたります。
その中でも最も出会いが多く、身近な場所にいるのがオオルリです。
実は、その羽の青には秘密があって、羽自体が青いわけではないのです。
構造色といって、羽表面のケラチン層にある微細な凸凹などの構造が、青色の光だけを反射することによって青く見えているのです。
青色は動物が作り出すことができない色のため、光の反射を利用したということですが、一体どのような進化をたどってきたのでしょう??
昆虫や魚など、構造色によって複雑な色を持つ生き物は多いのですが、誰かが考えたわけでもないでしょうに、どうしてそうなったのか本当に不思議に思います。
では、まずはオオルリの紹介から。
体長は16センチ。
オスはきれいな青色をしています。顔やわき、翼の先端や尾羽の裏などは黒く、おなかは真っ白です。
メスは薄い茶褐色で、かわいい顔をしていますが、はっきりとした特徴がないため、他のヒタキ類のメスと見分けが難しいことが多いです。
見分け方としては、全体的に淡い茶褐色で、他のヒタキ類によくある目の周りのリングがなく、おなかが白っぽいです。
空中で昆虫を捕まえるのが得意な彼らは、フライキャッチャーとも呼ばれています。
枝から飛び上がって昆虫を捕え、元の場所に戻る早業は見事です。
そして歌声もとてもきれい。木の梢でのさえずりは複雑でよく響きます。
鳥類にとっての歌は重要なコミュニケーション手段。縄張りを主張する時、パートナーを呼び寄せる時、仲間に警戒を促す際など、色々な場面で特有の鳴き声を用いて情報を伝え合います。
特にオオルリはメスもよく鳴くようです。
子育て中にヒナに危険が迫った時、オスのさえずりのような声でヒナに対して警戒をうながすのだとか。
夏鳥のオオルリは毎年、フィリピン諸島、インドシナ半島など東南アジアから北海道に子育てにやってくるわけですが、私の散歩道では3年ほど同じ場所で子育てをしているオオルリがいます。
個体識別は難しいので、毎年同じオオルリのペアが帰ってきているのか確証はないのですが、木の梢でさえずりが始まると「おかえり!!今年も会えたね」と嬉しくなってしまいます。
子育てのための巣は、大量の苔を集めて岩棚などに作ります。
卵は4〜5個で、雌が約2週間ほど温め続けます。ヒナが生まれてからは両親ともに大忙しで虫を運び、一生懸命食べさせます。
無事に巣立った後も、しばらくはヒナのお世話に忙しい彼ら。
そんな時にうっかり近づいてしまうと、「ピーピッピッピッ カチッ」(声の表現は難しいのですが、だいたいこんな感じ)と威嚇の声をあげられてしまいます。
たぶん、カチッと聞こえるのはくちばしを鳴らしているのだと思いますが、初めてこの声を聞いた時には意味がわからなくて、何回目かで近くにいた幼鳥に気づいて、ようやく必死な親鳥の思いがわかり、あわててその場を離れたのでした。
これからも春の訪れと共に、すてきな出会いが続くことを願っています。