シジュウカラ

名前は有名なのに、案外姿を知らない人が多い鳥ではないでしょうか。
小さいけれど、背中が淡い黄緑色でとてもきれい。胸にネクタイのように黒い縦線があってなかなかおしゃれです。
体長は14.5センチ。カラ類のなかでは一番大きいです。わずかな差ですが。
ネクタイが太いのがオス。細いのがメスですが、見分けが難しいことも。
早春、まだまだ寒い時期から盛んにさえずり始めます。
まだ雪景色の中でもその声を聞くと、もうすぐ冬も終わるんだな〜と実感。
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それにしても、ツピツピツピとかツツピーツツピーという特徴的なさえずりはわかりますが、その他にもいろいろな声を出すので、他のカラ類の声と間違えることもたまにあります。
なので、あの声はなんという鳥ですか?と道行く人に聞かれたら、にこやかに答えつつも、内心、あっているよね?!と汗をかくことも。
(実は鳴き声のバリエーションが多いオスほど、メスにもてるそうです。賢いオスの証明なのだとか)

ちなみにカラ類といわれるのは5種類いて、シジュウカラの他にヒガラ、コガラ、ハシブトガラ、ヤマガラです。
冬には混群といって、これらの鳥が一緒に群れになって過ごします。
大勢でいたほうがエサも見つけやすいし、木の葉が落ちて隠れる場所の少ない森の中でも敵の接近に気付きやすいというわけです。
他にもゴジュウカラやコゲラ、アカゲラ、ヒヨドリやシマエナガなども一緒になって大きな群れになっていることも。
そんな時は本当ににぎやかです。

何回か混群がハイタカに襲われたところを見たこともありますが、パッと四方に散ってかわすのはすごいです。(もちろん捕まってしまうこともありますが)
そして最近の研究では、この子たちは二語文を話していることもわかってきているそうです。
例えば蛇がいた時とカラスがいた時では鳴き方が違うのです。ヒナは親鳥の鳴き方で敵の種類を知り、それに合わせた対応をするのだとか。
集まれ、警戒しろといった鳴き方もあり、二つ合わせると警戒しながら集まれ、といった二語文になります。
また警戒の鳴き方も、自分が敵を見た時の鳴き方と、見ていないけれど誰かが警戒しろと言っている時の鳴き方が違うそうです。
そしてその意味は、種類を超えてその地域の鳥たちが互いに理解しているのだとか。
野生の世界は想像以上に豊かなコミニケーションで成り立っているのですね。

お散歩のたびに出会うシジュウカラですが、季節によって色々な物を食べていて、なかなかおもしろいです。
細い笹の茎から虫を取り出していることも。器用ですね。

毎年、巣立ったばかりの幼鳥が我が家の庭にも現れます。とてもかわいいのですが、親鳥がひっきりなしに虫を捕まえて食べさせている様子は本当に大変そう。
でも、なんとなく親鳥の顔が誇らしげにも見えるのです。
窓越しにエールを送りながら、小さな翼との出会いを大切に見守ろうと思います。