体長は14センチ。出会う機会が多い、代表的な夏鳥です。
オスは黒、黄色、オレンジ、白の鮮やかな羽を持ちます。
メスは茶褐色で一見地味な色合いですが、光の具合で微妙に印象がかわり、白いアイリングのある目はくりっとしていて、かわいらしい印象です。ただ、同じヒタキ類のオオルリのメスとそっくりで見分けに困るという声もよく聞く悩みです。
違いとしては、オオルリのメスにはアイリングがなく、同じ茶褐色でも褐色味が濃い目の印象(喉のあたり)があること。
また繁殖期にはオスと一緒に見かけることが多いのでわかりやすく、見慣れてくれば案外すんなり見分けができるかもしれません。


オスの鮮やかな羽は、薄暗い森のなかで出会うとまさに森の宝石のようです。特に繁殖期、なわばりをめぐってオス同士の争いが起こると、腰の黄色い部分を膨らませてアピールするので目立ちます。
アピールはそれだけに留まらず、万歳をするように羽を振り上げたり、ブーンという脅しの声をだしたり、追いかけっこの末に取っ組み合いの喧嘩になり、からまり合ったまま地上に落ちてきたりと、見ている人間も驚くような行動をとります。
体は小さいけれど、とても気の強い鳥なのです。


さえずりも特徴的で、美しいリズムのなかに他の鳥やセミの鳴き真似を取り入れて歌います。
その芸達者ぶりは見事で、ツクツクホーシの鳴き真似などは、ツクツクホーシがまだ現れていない時期から歌っているし、北海道にはいない鳥の鳴き真似をしていることもあります。過去に聞いた声を覚えているのですね。(若鳥が大人のさえずりを聞いて学ぶこともあるようです)
北海道の春は遅く、桜が咲くのもゴールデンウイークあたりですが、気温の上昇と共に次々に夏鳥たちが姿を現し、さえずりが聞かれるようになります。
なかでもキビタキの声は力強く響き、鳥たちにとって重要な繁殖期の到来を告げます。
森から聞こえてくる声に、今年も幼鳥たちが無事に巣立てばいいなと耳を澄ませるのも毎年のことです。
これからも安心して子育てできる環境を守りたいですね。