コゲラ

体長15センチ。日本で一番小さなキツツキであるコゲラは、見た目はキツツキの仲間と思われないかもしれません。
キツツキの特徴である、オスの紅い頭の毛も、普段は隠れていて見えないのです。
そのためオスとメスの見分けが難しいのですが、なにかの拍子にオスの紅い毛が見えるときもあって、そんなときはちょっと嬉しくなります。

森を歩いていると、ギーっという特徴的でよく響く声を耳にしますが、この小鳥の声だと知って驚く人もいます。
キッキッキッキッキッという甲高い声を出す時もありますよ。
木をつついて行うドラミングも、中が空洞の枯れ木などを上手に利用して、とてもコミカルな音を出していることがあります。
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背中のシマシマ模様は、擬態にしては目立つような気がするのですが、人間の目と鳥の目では見え方が違うのかな?
冬にはカラ類などの混群(種類の違う鳥が集まって作る群れ)に混ざっていて、大変にぎやかです。
人を怖がりもせず、静かに見ていると手が届くような距離で木をつついていることも。細い草の茎や枝にも器用にとまります。
他のキツツキに比べてくちばしも小さく見えますが、子育ての巣穴は、ちゃんと自分で掘りますよ。

桜が咲く頃、オスとメスの交尾が見られることもあります。
卵は5〜7個。オスとメスが協力して温めます。なんと夜はオスが温める番を引き受けるのだとか。
ヒナが生まれてからも、夫婦が協力して子育てをがんばります。
下の写真は、交尾の様子です。

巣立つ時、ヒナは一気に巣穴から飛び出します。
その後、しばらくは親から餌をもらい、徐々に一人前になっていきます。

コゲラはアカゲラと並んで一番身近にいるキツツキ。ぜひ耳を澄まして探してみてください。

←初夏に巣立った幼鳥たちが、柳の木についたアワフキムシの幼虫を取り出して食べていました。
容量の関係でとても短い動画ですが、ご覧になりたいかたはクリックしてください。